ワタシの愛しの剣士様⭐



「ほい、これあげる」

私は雨に濡れた男の人に傘を差し出した。
すると、目を瞑っていた男の人が驚いたように私を見上げる。


「……これを、俺に?」


パチクリと私を見上げる男の人は、サラサラの黒髪に瞳の今どき珍しい清楚な男性だった。


というか、超イケメンじゃん!!


黒いシャツにジーパンを履いた男の人は、それは目を奪われるくらいなイケメンで、私は息を飲んだ。


「あ、う、うん。まぁ、人生色々あると思うけどさ、頑張んなよ?」


私はハッとして傘を男の人の手を掴み握らせる。


うわっ、固くて大きな手………
触れといてなんだけど、私って変態かも。


「………かたじけない……」


イケメンは心細そうな顔をして、私を見つめた。


なに、迷い猫みたいな、顔してんのよ。
というか、今かたじけないって言った??


いや、気のせいか。


私は顔を横に振り、鞄からタオルを出す。
そして、男の人の頭に被せた。


こんな時にタオルは持ってきてるなんて、私ってば、女子力向上中♪


自分で自分を誉めながら、私は男の人に笑いかけた。