「おいしそうな匂いがする…」

「るな、これ何??」



二人は私の焼いたウインナーを見て目をパチクリとする。


「ふふっ、タコさんウインナーだよ」



二人が喜ぶと思ってタコさんウインナーを作ってみたけど……


私は二人の様子を盗み見る。二人の視線は、タコさんウインナーに釘付けだった。



「「すごいタコさんがいる!!」」



二人の笑顔に、私まで嬉しくなった。


今度はキャラ弁もやってみようかなんて思ってしまう自分がいる。



「なんだか、溜まり場みたいになっているな」



突然聞こえた声に顔を上げると、苦笑いのまーくんが立っていた。着替えたのか、高校の制服を着ている。


「おはよう、まーくん!稽古、お疲れさま」


「おはよう、るな殿。いつも朝食を、作らせてすまない」



申し訳なさそうに謝るまーくんに、私は首を横に振る。