ワタシの愛しの剣士様⭐




「るな殿、準備はできたか?」

「ああっ!まーくんの事、忘れてた!」


襖ごしにかけられる声に、まーくんを待たせていた事を思い出した。


「忘れられていたとは………」

「ご、ごめん!じゃあ、行こうか!」


私は千春ちゃんと千夏くんに両手をとられながら、部屋を出ると、紺の寝まき用の浴衣の上に、エプロンを着けたまーくんが立っていた。


あっ………。やっぱり、まーくんの和装、凄く似合ってる。何を着てもカッコいいなんて罪だわ。


浴衣だと、それに色気がプラスされて………


「千春に、千夏も居たのか……?」


三人で部屋を出てきた私たちを見て、まーくんは驚いたように目をパチクリさせた。



「お前達、姿を見ないと思ったら……。るな殿に余程なついていると見える」


困った奴等だ、と言わんばかりにまーくんはため息をついた。


「ふふっ、それなら私は嬉しいんだけどね」

「るな殿………かたじけない」


笑う私に、まーくんはホッとしたように笑みを返してくれた。


「かたじけないのは私!まーくん、ここに置いてくれてありがと。そのお陰で……」



一人、不安な夜を過ごさずに済んだから……


無意識に俯いてしまっていた私の肩に、まーくんが手を乗せた。