「あれから毎日………」
ゾッとした。震えを抑えるように、自分の腕を抱き締める。
時間が経てば、私の事なんて諦めると思ったけど……。それも怪しい気がする。
「こんなんじゃ、店になんて行けないし……」
下手したら、家にも帰れないよ………
それに、あの誰かにつけられてるような感覚、ここだって安全とは言えない。
「はぁ………」
ため息をつくと同時に、バンッと部屋の扉が開け放たれた。
「「るなーっ!!」」
「あっ………ゴフッ!!」
思いっきり抱きつかれ、私は畳んだ布団の上に尻餅をついてしまう。
さ、さすが…容赦ない体当たり……じゃなかった、抱擁だ。びっくりした………
「二人とも、ただいま!」
そんな二人を、私は笑顔で抱き締め返した。
「おかえりー!千春の髪やってくれるんだよね!?」
「おかえりー!それよりも、お腹空いた!!」
元気満々の二人に、私は笑ってしまう。
本当、子供は元気だなぁ………。でも、この明るさに私は救われてるみたい。
さっきまで、不安でいっぱいだったのに、今は………。一人だったら、きっとずっと悶々と考えちゃってただろうし……


