勤務を終えて、私は駅からまーくんの家までの道を歩く。
ーガサッ
歩く度に鳴るこの音は、今日の晩御飯の材料が入ったスーパーの袋だ。
「違和感しかないなぁ……」
定時に仕事を終わらせ、スーパーに寄って帰宅。一人の時は、キャバクラのまかないで済ませてたのに……
私は、スーパーの袋を見て苦笑いを浮かべた。
そんな時、ふと視線を感じた。足を止めて、振り替える。それでも、人影は無い。
「気のせい………?」
この道、暗いからなぁ………
駅から離れると、めっきり人が減るのだ。
気味悪く思いながらも、私はまた歩き出す。
ーコツコツ
すると、私のとはまた別の足音が、まるで私の歩みに合わせるように聞こえてくる。
「!!」
やっぱり気のせいじゃない!!?
私は慌てて駆け出した。そして、勢いよくまーくんの家に駆け込む。
ーガラガラガラッ!!
「はぁっ、はぁっ………」
「るな殿、良かった…迎えに行こうにも連絡先を聞いていなかったか……ら……?」
息を切らしている私を、まーくんは驚いたように見つめる。
あ、いけないっ………心配かけちゃう。
「あはは、た、ただいまっ」
「………何かあったのか?」
誤魔化すように笑うと、まーくんは怪訝そうに私を見た。


