「「るな??」」
二人は同時にコテンッと小首を傾げる。そんな小さくて可愛いこの子達を、守りたい、なんて思ってしまった。
たった短期間でも、この子達に優しくするのは、おこがましいのかな?でも、それでも………
「約束ね!千春ちゃんの髪をとかすのも、千夏くんと寝るのも、全部約束!」
私がいる間は、寂しいなんて感じてる暇ないくらいに一緒にいよう。
「るな!!約束ね!!」
「約束ーっ!!」
二人は寂しそうな顔から一変して花が咲いたような笑顔を見せてくれる。
これは、私の気紛れだよね………?本当に大切なんて、誰かの為になんて……ありえないよね?
誰に問うでもなく、私は自分に問う。
そうでなきゃ、その期間が終わったら、私はまた一人だ。
「さぁ、行ってらっしゃい!」
きっと違う………そんなんじゃない。
「「行ってきまぁーす!!」」
あの寂しそうな顔に同情したから……?
自分でも見つからない答えに、胸が苦しくなった。私は遠ざかる二人の背中を見送り、ため息をつく。
考えるのを止めよう。
私は、そっと自分の気持ちに蓋を閉めた。気づけば、あの刺激を求めるだけの毎日に戻ったとき、傷つくって分かるから。


