「るな、今日は千春の髪とかしてくれる?」
「千夏と一緒に寝てね?」
「千春、千夏………」
おねだりをする二人を、まーくんは寂しそうに見つめる。
この感じ…………もしかして……
二人のおねだりに、そしてまーくんの悲しそうな顔に私は気づいてしまった。
二人は、寂しいんだ。だから、約束を作って、また私があの家に帰ってくるようにって………
思い違いかもしれないけど、それを全て否定は出来ない。
この家族は、今も悲しみと戦ってるのかもしれない。そんな私が出来る事なんて、これくらいしか……
私は二人に歩みより、二人の手の小指に自分の小指を絡めた。


