何か、踏み込んじゃいけない事を聞いちゃった?気まずい沈黙が流れる中、私はそれを振り払うようにまーくんの背中を軽く叩いた。
「さて!二人の小学校はあれ?」
目の前に見える学校を指差すと、千春ちゃんと千夏くんが大きく頷く。
「「そうだよ!!」」
二人の笑顔に私はホッとした。
「気を付けろよ、油断は禁物だ」
いつの間にか、いつもの調子を取り戻したまーくんに、私は笑みを溢す。
「二人は“学校“に行くんだよ?そんな、戦場に行くみたいな…」
「一歩違えば戦場だ」
えー!?………どんな、風に間違えば戦場になるの!?
「それじゃあ、行ってらっしゃい!」
私が手を振ると、二人は顔を見合わせて寂しそうに私を見つめた。
「…………?」
いっこうに歩き出さない二人に、私は首をかしげる。それどころか、二人は手を繋いだまま私をただ、見つめる。


