「もう少しで出来るよ、座ってたら?」
「あぁ…」
そう言いながら、まーくんはそこに立ったまま動かない。
え、お地蔵さん状態なんだけど、まーくんどうしちゃったの?まさか、勝手に台所いじったから??
「ご、ごめんね?食材とか勝手に使って…」
「あぁ…」
やっぱりかー!!そうだよね、勝手に人様の冷蔵庫開けるなんてまずかったよね。
「えっと…………」
どうしよう、新しい食材買ってくる??それとも、もう余計な事しないほうが………
「あぁ…」
あぁ、そうだよねって………うん??今のタイミングで「あぁ」??何か噛み合ってな……
まーくんの方を見ると、どうやら心ここにあらずで、目が遠くを見つめている。
私はまーくんに近寄り、ぐんと顔を近づけた。鼻先が触れそうな距離で声をかけた。
「帰ってきなさーい!!」
「っ!!?」
まーくんは驚いたように私を見つめる。そして、勢いよく飛び退いた。
おお、すごい跳躍力!!さすが、現代の武士!!でも、そんなに飛び退かなくても……ちょっと傷つく。
私は苦笑いを浮かべ、まーくんに向き直る。


