ワタシの愛しの剣士様⭐



「もう少しで出来るよ、座ってたら?」

「あぁ…」


そう言いながら、まーくんはそこに立ったまま動かない。


え、お地蔵さん状態なんだけど、まーくんどうしちゃったの?まさか、勝手に台所いじったから??


「ご、ごめんね?食材とか勝手に使って…」

「あぁ…」


やっぱりかー!!そうだよね、勝手に人様の冷蔵庫開けるなんてまずかったよね。



「えっと…………」


どうしよう、新しい食材買ってくる??それとも、もう余計な事しないほうが………


「あぁ…」


あぁ、そうだよねって………うん??今のタイミングで「あぁ」??何か噛み合ってな……



まーくんの方を見ると、どうやら心ここにあらずで、目が遠くを見つめている。


私はまーくんに近寄り、ぐんと顔を近づけた。鼻先が触れそうな距離で声をかけた。


「帰ってきなさーい!!」

「っ!!?」


まーくんは驚いたように私を見つめる。そして、勢いよく飛び退いた。



おお、すごい跳躍力!!さすが、現代の武士!!でも、そんなに飛び退かなくても……ちょっと傷つく。


私は苦笑いを浮かべ、まーくんに向き直る。