「じゃあ、今度は机を拭きます」
「はーい、じゃあ、千春がやる!」
千春ちゃんは私からふきんを受け取って、居間へと走っていく。すると今度は千夏君が、私の服の裾を引っ張って私を見上げていた。
「………僕は?」
「ふふっ、千夏君は男の子だから、力仕事を手伝ってね」
何かをやりたそうに見上げる千夏君が可愛くて笑ってしまう。私は棚からお皿を出して手渡した。
「机に並べられる??」
「うん!出来るよ!」
ータッタッタッタ……
張り切って居間まで走るその背中を見送る。走り方も千春ちゃんとそっくりで、それがなんだか可愛い。
「さて、私は味噌汁を………ん?」
お玉で味噌汁をよそおうとした時、ふと視線を感じた。振り向くとそこには………
「………………………」
「まーくん?」
私を見つめながら立ち尽くすまーくんかいた。
まーくん、いつからいたんだろ。全然気づかなかった!というか、声かけてくれれば良かったのに。


