「あなたは面白い。ええと……椿殿?」
「あ、ええと………」
その名前は源氏名なんだけどな。
私は苦笑いを浮かべて、首を横に振った。
「私はるな。水戸るなって言うの」
「そうなのか?では、先程の名前は……」
案の定不思議そうな顔をする高校生に、私は唇に人差し指を、添えて笑う。
「秘密」
「なっ………秘密……?」
顔を赤くする高校生に、私は笑った。
おぉ、案外可愛いとこもあるのね。
年下、良いかもしれない(笑)なんて。
「大人の世界には色々あるのよ」
まぁ、お水って、言いたくないだけなんだけど。健全な高校生に、話せないしね。教育上良くない。
「ゴホンッ、では、深くは聞かない。ではるな殿、これは提案なんだが……」
「うん?なになに??」
照れ隠しに、咳払いする高校生に私がニヤニヤしてると、高校生は軽く睨んできた。
私、S気があったなんて知らなかったなぁ。
うん、新しい扉開いた感じ??
「俺に、るな殿を守らせてほしい」
「は、え??」
守らせてほしいって…………その真剣な瞳に不覚にもドキッとした。告白………では、ないんだよね??
勘違いしそうになり私は首を横に振る。


