ワタシの愛しの剣士様⭐



「傘と、タオルを貸してくれた」

「え?あぁ、あれくらい、気にしなくていいのに!っていうか、今回は助けてくれて、ありがとね?倍以上のおかえしだよ」


なんせ、命と、体を守ってくれたんだし!


私は両手を上げてグイッと背伸びをする。


あぁ、やっと、生きてる事を実感できるよ。さっきまでは生きた心地がしなかったから。



「それだけじゃない、優しい言葉もかけてくれた。あの時の事、心からお気遣いに感謝する」


高校生はそう、言って私に深々と頭を下げた。


高校生……なんだよね、この子。
それにしても話し方も、仕草も………武士みたい。


よし、ここは私も武士らしく………


「それなら私も!助けてくれた事、深く感謝する!」


私は高校生の口調を真似て、深々とお辞儀をした。
顔を上げると、呆然と私を見つめる高校生と目が合った。そして……


「ぷっ……ククッ……」


高校生は口を拳で覆いながら、肩を震わせて笑う。そんな高校生に、私も吹き出して笑ってしまった。