「椿ちゃん……」
「こ、来ないでよ………」
あぁ、どうしよう。
怖い……もう、駄目かも。っていうか自業自得??
でも、こんな生き方しか出来ない。
こんな生き方しか教えてもらえなかったんだもん。
血の繋がった家族は、私を捨てた。
それは、正直そんなに、気にしてない。だって、初めから無かったものを、悲しいとは、思わないから。
『じゃあ、るなの新しいパパを紹介するわね』そう、いつもこの言葉で始まる。
私の義母、水戸 花子は超がつくほどの遊び人で、小学一年生で養子になってから、高校を卒業するまでに10人父親が変わった。
『ママ、惚れちゃったかも♪』と言っては違う男を連れてきて結婚。ある意味すごい人だと思う。
世の中の結婚出来ない女性に譲ってあげてほしいくらいに。
お陰さまで、私は男という生き物を、刺激としか思えなくなっていた。
心から愛するとか、永遠に一緒にいるとかよく分からない。
欲しくなったら満たしてもらう。
いらなくなったらそこで終わり。
あと腐れなくて、いたってシンプルな関係でいい。
だから、キャバ嬢の仕事は私にうってつけだったんだけど…


