「椿ちゃんを迎えに来たよ。さぁ、僕たちと行こう?」
「え、僕たちって………」
1歩後ずさった私の周りには、金の腕時計に黒やら白やらのスーツを着た柄の悪い男たちがいた。
え、本気でヤバイかも………?
囲まれてるし、しかも、もしかしなくても………
ヤクザとか、暴力団とかそういう系??
「あ、えっと……関根さんの知り合い??」
冷や汗をかきながら、なんとか刺激しないように笑顔を浮かべる。
どうしよう、なんとかして逃げなきゃ……
こんな事になるなら、ちゃんと家の前まで送ってもらえば良かった!!
また会いたい、なんて思ったからいけないんだ。
「私のバカ!」
小さな声で自分に悪態をつく。
車で回るより近道だからっておおちゃくするからこうなる。
私、どこに連れてかれちゃうのかな……
この人数相手に、逃げ切るなんて………なんて、無謀な。
「僕はね、関根組の組長なんだ。一目で君が気に入ってね、ずっとチャンスをうかがってたんだよ」
「く、組長…………」
このパットしないオタクみたいな男が??
っていうか、こんなキモ男絶対に嫌!!


