麗雪神話~炎の美青年~

「あの…どうしたんですか、皆さん集まって」

ブレイズがおずおずと尋ねると、

「ばかかお前。首飾りを取り返しに来たに決まってるだろ」

ビッチィからぴしゃりと返事が返ってきた。

「でも、じゃあなんで中に入らない……」

「見てわかるだろう。ふ、その目は節穴か?」

ヴァイパの言も辛辣だ。

「お前もバカだなヴァイパ。ブレイズなんかの目が節穴だってことくらい、尋ねるまでもないだろうに」

「なんだと」

なんだか険悪な雰囲気に、セレイアはアル=ハルが言っていたことを思い出した。

―「部族同士は仲が悪い」と。

セレイアは洞窟の入り口に目を向け、彼らが言わんとしていることに気づいた。

「落石ね。入り口が閉ざされてる。このままじゃ入れないわ」

入り口と思しき穴の真ん前に巨大な石が横たわっているのだ。

「ちょっと大きい石だけど、これだけ人数がいるんだもの。
みんなで押せばなんとかなるはずよ」

セレイアが袖をまくって石に手をかける。ディセルもブレイズもそれにならったが、三人の次期族長たちは白けたような視線をこちらに向けるばかりだ。