麗雪神話~炎の美青年~

セレイアたちに向かって丁寧に紹介するブレイズを見て、一番細身で長身の若者が眉をひそめた。眉目秀麗であることが遠目からにもわかる。

「ブレイズ、誰だそいつら」

「僕の護衛役です。セレイアさんと、ディセルさんです」

「護衛だと? ふん、お坊ちゃまが」

冷たく吐き捨てた彼に、ブレイズは怯みながらも「彼は風の部族アル=イーオウの次期族長、20歳のヴァイパ・ラースです」と紹介してくれた。

「女なんかが護衛なんて、はっ、情けないと思わないのかブレイズ。弱虫野郎」

続いて三人目の若者、三日月のごとき細い目をした男が憎々しげに告げる。

「彼は水の部族アル=リスパの次期族長、一番若い18歳のアヴァ・リースです」

ブレイズの解説を、セレイアはほとんど聞いていなかった。

「ちょっと、弱虫弱虫って、なによ、失礼でしょう」

セレイアが思わず声を荒げると、ブレイズがそっと肩をつかんで止めた。

「いいんです。本当のことですから…」

口ではそう言いつつも、その瞳の陰りから、心無い言葉に傷ついているのがわかって、セレイアはもどかしかった。

まったく、人様のことを弱虫弱虫と、自分たちがどれだけ強いと言うのか、試してやりたくなってくる。