タイミング良く、ドアが開いてさっきの下っ端が入っきた。


「手当て箱です!」


そう言うと、私の前のテーブルに置いた。
そして、私を一目見ると


「うわぁ、綺麗な人ですね。」

と、わけの分からないことを言い出した。







「へ?」


思わずマヌケな声を出すと、

俊介はため息をつく。




「後で紹介するから、戻ってろ。」

下っ端は私に微笑んでから

「失礼しやした!」


と、出ていった。


き、綺麗なんて…お世辞にも限度ってものが…っ



「痛っっ!!!!」



見ると消毒液を傷口にたらされていた。



「しみるか?ちょっと我慢してな。」





…いたい…


慣れたように

くるくると巻かれる包帯。



「……おじいさん、大丈夫だったか?」





「……うん、大丈夫だった。

だけど、私を庇って両親は死んだ。だから、おじいちゃんは私をよく思ってないんじゃないかな…」


私を憎いと思っているかもしれない。


「…それは、違うと思う。」

俊介は手を動かしながら話した。

「え?」




「他人が口を挟むことじゃないけど、本当の真実をしって、美帆を恨む奴はいないと思う。」





そうなのかな…



おじいちゃんは、私を恨んでない?



そのことについて、おじいちゃんと話したことなかったな…。



「……」


沈黙が続く。



俊介は包帯を巻かれた足を軽くペチっと叩いて


「終わったっ!紹介するか。」

と言った。


「うん。」






────




ざわざわとみんなが私をみる。


「全員整列しろ~」



けっこうな人数だな…





「この女は下坂美帆。この族の姫になる。みんなで美帆を守る。」






「はいっ!」「もちろんです!」「よろしく!」


そんな声が倉庫に響く。

私の噂を知ってる人もいるんじゃない?



「あいさつ…できるか?」



私はコクリと頷く。