恭弥と大希は口を開けてポカーンとしてる。





…??





「お前って…笑うんだな。」


恭弥は何故か真剣な目で私を見た。


…失礼なっ!

笑わなかっただけ。





「もう、感情を隠したりしない。」




「そっか。お前なりに乗り越えたんだな。」



よかったよかったって言いながら微笑む恭弥。


みんな、なんて優しいんだろう。




「あぁ、こいつを姫にするから。」




いきなりだな…

まぁでも、嬉しい、かな。



「りょーかいです!」


「俊介の彼女になったの?」


大希がわけの分からないことを聞いてきた。


彼女?!



姫…だから、総長の彼女なの?!




「いや、まだだ。」


俊介は無表情で答えた。





うん、だよね。






今までにそんな流れ、なかったもんね。






…ん?




「まだ」?


これからってこと?




それはないか。

じゃあどういうこと?




わたしは頭に??を浮かべていると、
俊介は私をみて笑った。




「深く考えるな。」



いたずらっぽい笑みを浮かべた。



笑った顔、かっこいいな。







「そーいえば…なんでおんぶ?」


恭弥はニヤニヤした。

なんでそんなにやけてんの?!



「あー…足みてみろ。」



恭弥と大希は私の足をみて驚く。



「えっ!どうしたの?怪我?!痛くない?大丈夫?」




「痛い…けど、大丈夫!」




「…お大事にな。」





若干心配そうな顔をしてたけど、なんかがっかりしたような感じだった。





そうこうしているうちに辺りは完全に暗くなった。





「あ、美帆の家どこだ?」



あ、帰らなきゃ…


「へ?!…いいよ!結構遠いし…」



そこまでしてもらわなくても…。


「でも、このまま長時間歩いたら風邪ひくな……」



3人は考え込んでいた。
すると、大希が明るい顔をして言った。



「あ♪じゃあ、倉庫に泊まる?みんなで。ついでに紹介もできるし!手当ても!」




え…急だな。


なんか、緊張してきた。





「そうするか?」



どこか遠慮がちに聞いてくる俊介。


「いいの…?」



私はみんなの顔を見渡す。


「もちろん!」



恭弥は八重歯をみせて笑った。




「…ありがとう。ニコッ」


わたしも微笑み返した。



みんなの顔が固まる。




暗いからよく見えないけど…






「っ…じ、じゃあ行くか。」