お互いびしょ濡れのはずなのに、温かい。






「ああ~!!大希、いたよー!」

遠くでそんな声がした。


「まじで?ああ、美帆〜」



遠くから駆け寄ってくる2人…。

大希と恭弥だった。


「あれ?なんで二人とも濡れてるの?」



大希は俊介の制服を触った。


そっか。
さっきいなかったから分からないか。







あんまり、知られたくない、な…。







「海で遊んでたんだよ。」




俊介は平然と答えた。



え…。




「いや、絶対それはないだろ。」





恭弥は苦笑いだったけど…






嘘が下手。隠れた優しさ。

俊介のことをもっと知れた気がして嬉しかった。








「あははっまぁ、いいじゃん。」




私は心から笑った。



また目に涙が溜まってきたけど。





こんなに泣いて、こんなに笑ったのはいつぶりだろう。