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「ね、美味しい?」


Tシャツとジャージに着替え、テーブルに座ってナツの手料理に箸をつける

昼間食べた弁当のこともあり怖々と口の中に入れると、思っていたほど不味くはなかった


「食える」


「何、それ。どーゆー意味?」


『美味しい』という言葉が欲しかったのか、向かいに座ったナツが眉間に皺を寄せムッとする


「お前は食わないのか?」


「………」


チラチラと視線を向ける先には、猫缶

食べたいオーラを全開にさせている


「食えばいいんじゃねーの?」


俺の言葉にパッと顔を明るくさせ、ものすごい勢いで猫缶を取りに行き、戻ってきた


「開ーけーて?」


両手で差し出してきた猫缶のプルタブを開け手渡すと、箸を持つように言ったからか、一生懸命格闘しながら食べている

片肘をつき、その光景を眺めていると、こんな毎日も悪くはないと思った