猫の恩返し

いやいや…

ってゆーか、やっぱりそもそもおかしくないか?

自分の歳とかも分からないって言いだす人間、この世の中に居るのかよ

…って考えたら、怪しむのが普通だろ

一般常識はないのか


「トーゴ」


そんなことを考えてたら、ナツにシャツの袖を引っ張られた


「どうした?」


「あの…。トイ…レ」


ボソボソと俺の耳元で囁くナツ


「行くか?」


「あ、小岩井くん」


ナツの手を取りトイレへ向かおうとすると、課長に呼び止められる


「どこ行くの?」


「いや…。ナツがトイレに行きたいって言うから、連れて行くんですけど…」


「署内で蒸発しないでね」


「はぁっ?!」


相手が課長ということも忘れ、すごくドスの利いた声が出た


「あ…いや…。その…。竹田くんならまだしも、小岩井くんに限ってそんなことしないよねー。あはははは」


「課ちょ…。それって、何気にひどくありません?」


半笑いで課長を見つめる係長に、『課長の言う通りだと思います』と牧野が断言する

この変な空気の中から抜け出したくて、ナツの手を引っ張って廊下に出た