猫の恩返し

「下村さん。大人の男女が、一つ屋根の下で何もないわけないだろ?」


ニヤニヤと笑う係長に、電話が終わった牧野が『不潔!』と吐き捨てた

この2人の関係は、よく分からない


まあ…

何かがあったとしても俺には関係ないし、そもそも興味もない


「不潔は厳しいなぁー。俺、泣いちゃうよ」


「どうぞ、ご自由に」


「はぁーっ。厳しいねー。ねえ、君もそう思うだろ?」


急に話を振られ、目を白黒させるナツ


「………」


「何だよ、君も相手してくんないんだ。えっとー、名前…何ちゃんだっけ?」


「───ナツ」


警戒しているのか、顎を引いたまま目だけで係長を見上げている


「ナツちゃんかー。可愛いよね」


「係長ー。それセクハラですよ」


下村の容赦ない言葉に、グッと喉を鳴らした係長


「小岩井くん。助けてー?」


半笑いで俺に絡んできた

いつものやり取りに耳を傾けるだけだったのに、今日はナツが居るからか傍観者を決め込もうと思っても、周りがそれを許してくれない