猫の恩返し

「戻りました」


「主にーんっ!」


いつも通りの牧野に対し、下村はナツと腕を絡め、俺の席に突撃してきた


「ナツちゃんって、めちゃくちゃ可愛いですね!」


「あ…ああ。そりゃ…どうも」


何に対しての『可愛い』なのか分からず、適当に返事をする


「それにしても、主任も素敵ー」


「は?何が?」


下村のセリフは、言葉が足りなさ過ぎて意味が分からない


「雨の日…路頭に迷ってたところを、小岩井主任に助けてもらったって言ってましたよ?」


補足するように牧野が続けた

手には、俺が机上に置いたメモ

それだけ言うと、サッサと電話を掛ける牧野

それとは逆に、下村はナツに絡みついたままだ


「まぁ…。濡れて可哀相だったしな…」


「へぇー。2人の出会いって、そうだったんだー?」


嬉しそうに首を突っ込んでくる竹田係長