猫の恩返し

係長が戻ってくるまでの間に電話が1回あり、怖々取ると牧野への内線電話だった

連絡を欲しいと言う相手の名前と所属、電話番号を聞き、受話器を置く


「あら、電話?」


呑気な声で机の上にコンビニの袋を置く係長


「内線だったんで、助かりました」


あははと笑うと、俺の机の上にも袋を置いた


「え…。係長、これ…」


「下村さん達に彼女取られただろ?」


「はぁ…」


「ホントだったら、彼女と一緒に昼飯食いに行きたかったんだろうなぁ~って思ったら、可哀相だから小岩井くんのも買ってきといた」


「ありがとうございます」


遠慮がちに袋を開けると、そこには『12品目が摂れる』と書いてある野菜サラダに、幕の内弁当


「彼女に作ってもらってるかもしれないけど…。男はカロリーばっかり多いもんしか食わないからな。ちゃんと栄養も考えて食わないと」


すり寄る犬の頭を撫で、犬用のガムを与える係長

課長は妻子持ちだが、係長は34にしてまだ独身

本人は独身生活を満喫してるらしく、一人暮らしだというのにかなり広いマンションに住んでいるらしい