猫の恩返し

「彼女さん、お借りしますね」


牧野が嬉しそうにナツの腕を取り、ほとんど引きずるようにして昼飯に出掛けてしまい、課長と係長…そして俺が取り残される


「彼女…連れてかれちゃったね」


俺の肩をポンと叩き、手を振って笑いながら部屋を出て行く課長


何がそんなに楽しいんだよ…


ナツが余計なことを言わないか、アイツらが変なことを聞かないか…

内心…気が気じゃなかったが、後を追いかけて連れ戻すと余計に話がこじれそうなので辞めた


「小岩井くん」


「はい?」


「飯買ってくるから、その間留守番頼んだよ」


「はぁ…」


係長を見送り室内を見渡すと、俺以外誰も居ない


当番のヤツは居ないのか!


1人の間、誰も来ないことを祈りながら、尻尾を振ってすり寄ってくる犬の頭を撫でた