猫の恩返し

「ああ…。そういえば、まだ何も食べてなかったな。今パンでも焼いてやるよ」


朝は何も食べない派の俺

それでも、休みの日に適当に過ごすため、パンやインスタント麺などの食材は揃っている


「昨日の、食べたい!」


『ねーねー』と、まとわり付いてくるナツ


「昨日の…って…何だよ?」


「だから、昨日の!こんなのに入ったやつ」


両手で丸を作ってみせた


ひょっとして…


「これか?」


四つ入りの猫缶の残りを見せると、目をキラキラさせて『それ!』と笑顔を見せる

今にもヨダレが垂れそうな顔


「本当にこれでいいのか?」


「うん。これ」


ブンブンと、首を縦に振って喜ぶ

皿に猫缶を開けようとキッチンに行こうとすると、俺の服を掴みついて来た