猫の恩返し

△▼△▼△▼



ナツが風呂から上がる頃には、部屋に夕食が運び込まれてきた


「今朝採れたばかりの品を使っていますので、新鮮で美味しいですよ」


エビやウニなど、海の幸が盛り沢山だ

目の前にはキラキラと目を輝かせて、よだれでもこぼしそうな勢いのナツが居る


「いただきま~す」


女将さんが笑顔で襖(ふすま)を閉めた瞬間、嬉しそうに箸を伸ばし食べ始めるナツ

さっきまでの辛気臭さはどこへやら


あ…

そーいえば…


携帯を手に取り、美味しそうに食べ物を頬張るナツへ向け、シャッターを切った


「んー、何ぃー?」


「何でもねーよ」


撮れた画面を確認すると、ブレずに綺麗に取れている

しかも、こぼれんばかりの笑顔

思わず笑いが漏れた


「何なにー?何で笑ってるの?」


ヒョイと電話を取り上げられる