△▼△▼△▼



「うわぁー。寒いと思ったら、雪降ってるー」


窓を見て、下村が歓声を上げた


「うわ、最悪」


「積もんなきゃいいけどねー」


「え?」


「何でですか?」


俺と係長の言葉に、牧野と下村が首を傾げる


「雪に慣れない地域で雪が降ってみろ。どうなると思う?」


「皆嬉しくないですか?」


素朴な言葉を返してくる下村


「そんなんで喜ぶのは子供だけだって。いい?下村さん。雪が降るってことは、気温が0度以下。ってことは、氷が張る寒さなんだよ。雪が降って地面が濡れてごらん。凍結したらどうなる?」


「あ…」


珍しく係長が饒舌だ


「転倒者が出たり、車両事故が増えたりするだろ。だから、出動とか大変なんだよ」


「そうなんですね…。知らなかった」


「積もったりしたらもっと大変だろうね。ひどくならなきゃいいけど…」


係長の言葉に、灰色の雲を見上げた