猫の恩返し

「あの時のことは反省してる…。だから───やり直そ?」


思い出したくもない過去

それを蒸し返そうとする雅美


「今更………」


「ずっと後悔してたの…。あの時の私はどうかしてた。チヤホヤされて、調子に乗って………」


「調子に乗ったら、誰にでも体を許すのか」


「違う!………あの時は、確かに…そう思われても仕方ないこと…してたけど…」


あれから、もう6年の月日が過ぎた

24だった俺も、26だった雅美も………

もうあの時のような、よちよち歩きの社会人じゃない

汚い世界も見てきたし、社会に溶け込む術も身につけた


「環境が変わったのに、昔に戻ることなんて出来ないだろ」


「………あの子が…居るから?」


「は?」


あの子?


「この前…海で一緒に居た子…」


ナツのことか?