猫の恩返し

水に抵抗がなくなったのか、波から逃げながらも追いついた波を蹴り飛ばしている

ナツの蹴った波は、眩しいほどの日差しを浴びて宝石のように輝いていた


夏休みに子供を連れて出掛ける親って、こんな心境なのかねぇー


飽きることなくひたすら波と戯れるナツをただボーッと眺めていると、こんな休日も悪くはないと思った



△▼△▼△▼



「ナツー!」


「んー?」


「そろそろ帰るぞ」


「えーっ!ヤダーッ」


日は高く、夜を迎えるまで時間はまだまだある

だけど、移動時間とかも考えなければならない


「魚、捕まえてないもん!」


まだ言うか………


「また連れてきてやるから」


そう言うと渋々ながらも納得したようで、海から上がってきた


「あ…れ?お前、サンダルは?」


「へ?」


出てきたナツの両足は素足