驚きつつ、上を見上げると、稲光で、相手の顔が浮かび上がる。

「「…」」
私も相手も驚き見つめ合う。

…ヒイロだとは思わなかった。カメラマンのヒイロが、資料室にいるなんて、まずないことだ。

「…な、んで?」
驚きが拭えないまま、ヒイロに問いかけた。

「…前の雑誌の写真を探しに。…桜子」
「…⁈」

いつもとは違う呼び方に、心臓が跳ねた。

その時、また、タイミング良く雷が鳴り、抱きついてしまった。

…ヒイロも、それに応えるように、私をぎゅっと抱き締めた。

…ヒイロは、私の事をなんとも思ってない。そんな事はわかってる。でも、こうやって抱き締められただけで、胸が高鳴る。

…隠さなきゃいけないのに、気持ちが溢れ出す。

どうしていいかわからずただ、ヒイロを見上げると。

ヒイロは何も言わず、私の唇を奪った。