「今年度キャプテン、松山俊太!」

「・・・・・え・・・・・?」

俺は今、呼ばれたのか?
・・・呼ばれたんだよな?

自ら望んでいたことなのに、
いざ自分の名前を呼ばれると、
頭の中がほわほわする。

「おい、返事・・・!」

となりにいた谷村が俺をつつく。

「・・・はい!」

遅れて返事した俺を、
先生はふっと小さく笑う。

「副キャプテンは・・・」

俺は、自分がなれたうれしさよりも、
まだ実感がないことに支配されて、
雲の中にいるような、ふわふわした気持ちに満たされていた。