「すみません、遅くなりました… 松野です」

部活が終わった後、俺は保育園に麻美を迎えに行った。

「あら、俊太君。おかえりなさい」

ここの保育園は俺の出身でもある。
園長とは長い付き合いだ。

「麻美ちゃーん!お兄ちゃん迎えに来たよー!!」

「ちょっとまってぇ…!」

麻美の声。可愛い澄んだ声。

「おにいちゃん ただいまぁー」

「おかえり、麻美」

麻美は俺にぎゅうっと手を回す。
俺もぎゅうっと抱きしめかえす。

「ありがとうございましたー」

そう言って保育園を後にする。

「おにいちゃんっ。あのね…」

今日あった出来事を楽しそうに話す麻美を見て、俺は・・・

全ては、麻美の笑顔のために。
ちょっと辛いけど…、
それでも我慢してくれるよな?麻美。

「ちょっとだけ離れて暮らそうか」