宋太の部屋から出された阿李は、ご機嫌ななめになってしまったようで。

宋太ー、宋太ー、ここを開けておくれ。彼女の阿李だよー。とドア越しで語りかけてくる。

『宋太ー、夫婦なんだから恥ずかしがらなくていいじゃん』

煩いやつだな、まったく本当に。

部屋の前でこんな状態じゃ俺襲われそうな勢いだが、狛音が心配だ。俺の命と引き換えになってもな。


宋太は着替えを終えると、ドアを一気にあけて階段を下りていく。


「宋太!どこに行くの?まってーーーー」


「狛音を探しに行くってさっきから言ってるだろうが。お前にかまってる暇はない。
 一秒もな」

「そんな!?せっかく朝ごはんに、ごはんとお味噌汁作って待ってたのに。酷いよ・・・」

「・・・。俺、行くから」


毎日朝飯やら作ってくれてるのはまあ、感謝とまではいかないがありがたいよ思っている。が、性格がアレだから。

何しでかすか、ある程度しかわからないし。


まっててくれ、狛音!

宋太は図書館に向かった、狛音を探しに家を飛び出したのであった。