「そーだったんだ」

奈緒の悲しそうな声が胸を突く。

奈緒の目が潤んできたのが分かった。

ズキン

「ごめん……。」

何故か、そんなつまらない言葉しか

出てこなかった。

ごめん。

なんか心が軽くなった。とか

思ってて。ごめん。

言ったのは正解だったのか

よく分からない。

言わなかった方が、

やっぱり良かったのかもしれない。

ごめん、奈緒。傷つけて。

もう、一緒にいれないよね。

「今まで、」

奈緒が呟く。かすれた声だった。

サヨナラの言葉だと思った。

「今まで、私に気を使ってたよね。」

ごめんね

そう言ったように聞こえた。