体が熱い。

「‥た、太陽???」

ぎゅ…

太陽の腕に力が入ったのが分かった。

ドクンドクン

太陽の心臓の音が聞こえる。

体は、太陽の体温を感じてる‥。

太陽の心臓の音を感じてる‥。

でも、頭はちゃんと働いてない。

思考が追い付かない‥‥。

私、太陽に抱きしめられてるの?

何度も同じ様な質問と

矛盾した答えが頭の中を廻ってる。

「た、太陽?」

もう一度、名前を呼ぶ。

それに答えたように、

またきつく抱きしめられる。

ドキン

それと同時にあの香りが私を包み込む。

今は、それが妙に甘い匂いに感じる。

なんか、頭がクラクラする。

顔が熱い。熱が体を包む。

「ごめん……。」

気づけば、太陽の腕は離されていた。

顔を伏せている太陽。顔が見えない。

でも‥‥。何?さっきの??

まだ体に、太陽の体温が残っている。

あの匂いもまだ残っている。

太陽の耳が赤いのは、‥気のせい?

ドクンドクン

‥あ、私の心臓の音も速い。

さっきの太陽の心臓の音と

自分の心臓の音がシンクロするように

同じ速度で体を包む。

「ごめん……。」

さっきと同じ言葉は今にも

消えそうだった。