「あのさ、俺。‥‥‥‥とおもってるんだけどさ。」

一瞬、言葉は消えた。

たぶん、一番大切な所の言葉。

「え?」

「いや、だから俺告おうとおもってるんだけどさ。どーおもう?」

チクッ

こうなるのは、目に見えたじゃん。

今さら、何に驚いてるの?

「いや、え。いいと思うよ。でも、なんで今なのかなー?って思っただけだから。」

なるべく、平然を装おって。

「いや、さ。俺今、山口さんと一緒にいるから。告うなら、今しか無いって思ったんだけどよー。やっぱ、今だよな。今しか無いよな。」

え?なんで、今奈緒といるの?

いうって、告うの?

今?どこにいるの?

あぁ、頭の中でたくさんの疑問が飛ぶ。

「いいと思うよ!頑張れっ!」

こんなことしか、言えないんだ私。

背中、押すから。京介と奈緒の。

頑張れ。頑張れ。

頑張れ。頑張れ。

『それじゃねーだろ。お前が言いたいこと。ちゃんと、前見ろ。』

まっすぐな綺麗な目。

うるさい、うるさい。うるさい。

分かってるから。分かってるから、背中を

押してるんだよ。

カーテンを開けると、

眩しい青が広がっていた。

「ありがとな、茜。じゃあ、俺頑張って来るわ。」

いつもより力強い声だった。

ツーツーツーツー

後は、無機質な音が響くだけ。

青は、私を笑っているかのように。