「海だーーーー!」

三時間電車に揺られて着いた所は、

青い世界と、

オレンジの世界が混ざった所。

海は、綺麗な青。空は、綺麗なオレンジ。

夕方だからのか人がいない。

「綺麗だねー。」

佳奈がヒールを脱ぎ捨て、走り出す。

「いぇーい!!!」

海に向かって、駆け出す。

そんな姿を見て、私と奈緒も顔を

見合わせて笑う。

「いきますか?」

「当たり前ーーー!」

ヒールを脱ぎ捨て、走り出す。

砂浜。海。空。夕日。

すべてのことを、忘れそうなくらい。

楽しい。

でも、忘れちゃダメなんだ。

皆で波を追いかけたり、水をかけあったり

して。もう、体はびしょびしょ。

それでも、走る。

この時間を楽しめ。

そうしないと、いけない気がしたから。

いつもより、大きな声ではしゃぐ。