友行の居ない街で、友行の居ない生活を送る毎日。

私は友行と出会う前に戻ったみたいに、代わる代わる違う男と夜を過ごしていた。

友行の居ない寂しさには慣れたつもり。

だけど、目覚めた時に隣に居るのが友行じゃないことにいつも胸が締まる。


夢を喰らう度、友行の薄く柔らかな唇を思い出す。

友行の滲むように温かな夢を思い出す。


もう二度と触れることは出来ないのに。