ぼんやりと滲む目で、友行に握られた手を見つめた。 「最近は食べるのやめたのか」 パッと顔を上げると、真剣な顔をした友行が真っ直ぐに私を見ていた。 「……うん」 「どうして」 どうして、だなんて。 上手く説明できないよ。 それでもあえて言葉にするなら…… 「友行、苦しめたくなくて」 絞り出すようにして口にした言葉は、店内のBGMにゆらりと溶けた。