私は周りに聞かれないくらいに声を抑えて、けれどハッキリと告げてゆく。 私が貘であること。 夢を食べなければならない理由。 今までどんな風に生きてきたか。 まるでつまらないお伽話みたいな、掴み切れないほど空想的な現実。 例え信じてくれたとしても、拒絶されるということは安易に予想できる。 話して居る間、涙に胸が詰まって仕方なかった。 友行は黙って聞いていた。