元気のない私を、ある日友行はデートに誘った。 友行とはお互いのマンションで会うことが多く、デートらしいデートはしたことがなかった。 観たい映画があると言って、半ば強引に私を連れ出した友行。 友行が選んだのは、最近話題の洋画。 売店でコーラとアイスティー、ポップコーンを一つ買って席についた。 なかなか面白い映画だったけれど、暗い空間でスクリーンの照明に照らされた友行の顔を、私は度々盗み見ていた。