形の良いその唇に自分のソレを近づける。 だけど、心のどこかが嫌がっていた。 夢を喰らう為といえど、今まで何人の男と唇を重ねただろうか。 数えたことなどない。 数えたくもない。 それほど多くの男に口づけた。 それなのに、なんで私はこんなにも躊躇っているの? 瞼の裏に友行の笑顔がチラつく。 私は男に被さった身体をどかし、その場にへたりこんだ。 私、友行を裏切りたくない。