「キスといえば、キスだけど…」 「やっぱ―「でも!軽く頬にされただけだぜ?」 勢いよく裕也が言う。 え…? 頬? 「それもクラスマッチで優勝したとき。あれは、ほんと大変だった。中西は興奮すると誰にでもする癖があんだよ。俺以外の奴らもされてたし」 思い出したのか、裕也は苦い顔をしてため息交じりで言う。 「え…あ…」 裕也が嘘ついているようには到底見えなかった。 どうやら本当にあたしの勘違いみたい。