「おはよ、妃愛!
……今日も可愛いな」
彼はそう言って優しく微笑み、
あたしの髪をぐしゃぐしゃってする。
「もう、唯織ってば!
せっかく髪セットしてきたのにー…」
手櫛で髪を整えながら、胸のドキドキがバレないように彼を少し睨む。
「いいんだよ、それで」
そっぽを向いて、呟くように言った言葉はあたしの耳にもしっかりと届いた。
「…え?」
言葉の意味が理解できず、あたしの脳内には大量のハテナマークが浮かぶ。
「他の男が…お前を好きになったら困るし」
彼は顔を赤らめそう言い、あたしの方へ1歩歩み寄る。
そして、両手であたしの頬を包むと
少しずつ顔が近付いていき――…。