私は、


朝起きたら、


男の子のからだになっていた。


もちろん髪も短くてツンツンしてる。

どーしてだろう。


もしや、あれか!


昨日の夜、夢に出てきた

魔女?とかいってるばーさん!!


絶対これだーー!!!

それから私、


そのばーさんがくれたチョコレート、

ぜんぶたべちゃったんだっけ。


もーー!!

今日から新学期だっていうのにー!!

て、もう7時50分!

用意しなきゃー!!!



結局、

兄ちゃんのおさがり着てきた。


うーん。


どーしたらいいんだろ。


「ねえ、あのひとだれだろ。」

「転校生?」

「すっごいイケメンじゃん!」



ん?

私ってば、モテてる?

ちょっといい気分。

クラスは、B組か。



かたん



私は新しい席順の、

前から4列目の窓際の席についた。


思いっきり女子列だけど!

ま、バレない…かな?


「席つけー。俺は、柏木 孝介先生だ。よろしくな。出席とるぞー。」


私の隣の席、

来てない?


てゆーか、

となりが男子なら

男子男子になるじゃん。

うー!バレないでくれー!


「じゃあ次は、須賀ー!須賀 夏樹ー!」


「は、はい。」


「…………あれ?おまえ、出席表、女になってるぞ。」


「えっ、やっ、なんかの、間違いですよ。あはは。」


「夏樹!?そーいえば、この人じゃない夏樹ちゃん、知りませんか?」


あれは!

中二の時友達だった、

日野 蘭子ちゃんだ!!


まずい。


「は?須賀夏樹は、こいつ一人だぞー。」

「え!?じゃあ、夏樹、どこ行ったんだろ。」


「…………………」



まずいまずいまずい!

誰かー!助けてー!!



ガラッ!!


「すんません。遅れました。」


「「きゃあああ!!」」


えっ?

なんの騒ぎ?

なんでもいいけど、

助かったぁ。


「かっこいぃー!」


女子の悲鳴。




ほんとだ。

イケメンさんだ。

真っ黒な髪で、さらさら。

私の髪は、少し赤くてツンツンしてるのに。


ちっ、うらやましー。

男子の気持ちが分かったよ。


ん?

こっち見た?

え。

こっちくる。

なんだなんだ!?


「あー。手がすべったー。」


バサ。



この時。

ベルトをしていなかった私のズボンが、

この人の手によって……






おろされた。