手際よくプリントを配る。
「そこの君、なかなかやるじゃん。」
・・・、ありがとうございます。

長めの沈黙。そして、

「そこの君、気に入ったわ。今日からこのクラスの学級委員、お願いね。で、名前は?」

 はっ?担任のクセに名前を覚えていない!?
 冗談じゃない!

「早く答えないと、ずっと『そこの君』でいくよ?」

 それはさすがに嫌だしなぁ。

「神田 和人です。」

「『そこの君』より、よっぽどいい名前ね。気に入ったわ。」

・・・、その後、沈黙がしばらく続いた。