「柊二さん、私を連れてきてくれてありがとう」
私がお礼を言うと、彼は微笑んで背後から私の頬に顔を寄せた。
「美緒を連れて来てよかった。妊娠中だから本当は少し迷ったんだが……君がこんなに喜んでくれるなら、社員旅行なんかじゃなく、もっと早く連れてきてあげればよかったよ」
「また、連れて来てくれるんですよね?」
私が柊二さんの瞳を覗き込んで甘えるように言うと、彼は「もちろん」と頷く。
「今度はこの子にも見せてあげよう」
そう言った柊二さんが後ろから私のお腹に手を回し、そっとそこを撫でた。くすぐったくて、私はまた笑う。
そんな私の様子を穏やかな笑顔を浮かべて眺めていた柊二さんは、私の体を自分の方に向けると、周りの乗客などまるで目に入っていないような、甘くて長いキスをした。
南国の青く透き通った海の上、跳ねるイルカと柊二さんを見ながら私は思った。
またここに来たい。今度来るときは三人で。
「柊二さん、ありがとう」
イルカが跳ねる水しぶきの音に混じって、私はもう一度ぽつりと呟いた。
Fin.
私がお礼を言うと、彼は微笑んで背後から私の頬に顔を寄せた。
「美緒を連れて来てよかった。妊娠中だから本当は少し迷ったんだが……君がこんなに喜んでくれるなら、社員旅行なんかじゃなく、もっと早く連れてきてあげればよかったよ」
「また、連れて来てくれるんですよね?」
私が柊二さんの瞳を覗き込んで甘えるように言うと、彼は「もちろん」と頷く。
「今度はこの子にも見せてあげよう」
そう言った柊二さんが後ろから私のお腹に手を回し、そっとそこを撫でた。くすぐったくて、私はまた笑う。
そんな私の様子を穏やかな笑顔を浮かべて眺めていた柊二さんは、私の体を自分の方に向けると、周りの乗客などまるで目に入っていないような、甘くて長いキスをした。
南国の青く透き通った海の上、跳ねるイルカと柊二さんを見ながら私は思った。
またここに来たい。今度来るときは三人で。
「柊二さん、ありがとう」
イルカが跳ねる水しぶきの音に混じって、私はもう一度ぽつりと呟いた。
Fin.
