「はーあ」



仕事が終わり、会社から出る。



会社の中とは違う新鮮な空気が気持ち良い。




大きく伸びをして、ため息をつく。





今日も疲れたな……。





早く家に帰って寝てしまいたい。





といつも思う。





当たり前か。




疲れた体を早く癒したいと、視線を前に向け、帰路につこうとした時。





「え」






ーー花純が、いた。





夜の、街のあかりなどに照らされて、突っ立って。





こっちを見ていた。






「か、すみ……?」






ゾクッとした。





なんで、彼女がここに……。






明純かとも思ったけど、もう二人のことは雰囲気でわかる。





あれは……




花純だ。