大人女子 × 俺。 可能性確率論

あんまりじろじろ見すぎたのかもしれない。彼女は少し苦笑いしながら俺に聞いてきた。
……恥ずかしい。

「あっ、は、はい。俺で……いや僕です。」
俺がそういうと安堵したようにでも大胆に白い歯を見せ目尻にシワを作りながら笑った。
「“俺”でいいよ。……中入ってもいい?」
「あ、はい。もちろん。」
中を指差し笑う彼女に俺はあわてて中に入るよううながして、ほこりをかぶっていた椅子をとりだしほこりをはらいながら彼女に座るようにうながした。

「おぉサンキュー佑くん。もうちょっと近寄っていいかい?」
俺が椅子を俺から遠くに置いたのが気にいらなかったのか彼女は俺にそう聞いてきた。
彼女のほうが年上なのは間違えないので断る権利は俺にはない。
仕方なく俺は
「どうぞ。」
とだけいう。

「じゃぁお言葉に甘えてー。」
そういい彼女は椅子を軽々と持ち俺の近くに……

……って近すぎやしないかい?
彼女が椅子を置いた場所に思わず目を見張る。
普通間も開けないで隣に置くものなのか?

彼女はそんな俺の気も知らないで構わずその椅子にドスンと座った。
その勢いで髪が揺れフワッといい香りがただよう。

「花描いてたの?」
彼女が目の前に置いてある花束を指差し俺に聞いてきた。
「はい。」
俺がそう答えると彼女は大きい瞳をより大きくさせ、キラキラの目で「見せて!」と言ってきた。
いや迫ってきたと言うべきか。

とにかく俺はその勢いにけおとされ渋々スケッチブックを彼女に渡した。


しばらくの間沈黙がただよう。


…………やっぱり下手だったか。


……いやでも見せてっていったのはそっちなんだし、文句あんなら自分が書いてみろって話だよな。
……いやそれで上手かったら俺がへこむんだけどさ。

いやそもそもなんでこんな黙ってんだよこっちだって年上といるの気まず………


「私のお店の広告描いてくれない?!」